洛友会関西支部長時代の思い出
洛友会会報 200号


洛友会関西支部長時代の思い出

宮本 一(昭和31年卒)

 今年洛友会発足以来50周年を迎えました。京都大学電気工学教室創立百周年の内でその半分を連綿と続けていられるのは、会員皆様の協力のみならず関係者各位の並々ならぬ御努力の賜物と、心から敬意と感謝の意を表すものであります。
 日新電機の安井社長からバトンをお受けして私が関西支部長を仰せつかったのが電気教室百周年の次の年に当たる平成11年の一年間でした。
 総務幹事の45年卒の田中宏毅君、会計幹事の54年卒の乾俊一君をはじめ各幹事の諸君の協力を得て
 (1)少しでも楽しめる魅力のある関西支部にしよう
 (2)デフレ状況に入ったが、財政的に健全にしよう
を合言葉にその具体案に尽力いたしました。
 まず、魅力のある会にするために当時インターネットの普及で、各方面でホームページを開設する動きに合わせて、母校の事情・洛友会関西支部の催し物の御案内・各種会議の内容をのせることにしました。記事をのせることは大変な労力が必要ですが、献身的努力で楽しい記事を載せていただき心から感謝しています。会員各位からのアクセスもかなりあり皆に親しまれていることを喜んでいます。
 何といっても秋の家族見学会が親睦のメイン事業です。あれやこれや考えた挙句、その時ちょうど和歌山県で南紀熊野体験博が開催されていましたので京都・大阪から南紀特急の「オーシャンアロー号」に乗り、白浜を中心に開催されている博覧会を見学することにしました。歴史が数多く残っている熊野古道の一部でも足を踏み入れたかったのですが時間的余裕が無く、白浜海岸・南方熊楠記念館・熊野博覧会・とれとれ市場での新鮮な海の幸の買い物・ホテル古賀の井での楽しい昼食に160人以上という大規模な会員とご家族が参加され、秋の一日を楽しむことができました。後日談になりますが、次の年のゴールデンウィークに妻と共に2泊3日で熊野古道の一部を散策しました。新緑の下で澄み切った空気を胸一杯吸い込み、後白河上皇らをしのびつつ蟻の熊野詣をして本宮大社や那智の滝など南紀を満喫することができました。時間があれば訪れられることをお勧めいたします。きっと心の癒しとなることでしょう。
 財政面での改善についてはまず会費の納入率の向上を目指しました。一時は50%を上回っていたようですが、年々減少し、平成9年には40%まで低下していました。
 そこで各年次の幹事が手分けして会員に連絡してもらうと共に、多数の卒業生を擁する企業にお願いした結果、45%を上回る好成績を残すことができました。現在会員が各分野で活躍できるのも京都大学電気系を卒業させていただき、多くの卒業生との交流があるからこそであり、この会が発展することでともに喜びを共有できるのではないかと思っています。現在また低下傾向をたどっているようですが、社会あっての個人であることに思いをいたし、50%を目指して一人一人が意識を持って協力していただきたいものです。
 今ひとつは2年毎の会員名簿作成でありました。前回スポンサーから集めていただいた1.5倍を目標にいたしましたが、何と前回の2倍もの応募をいただきました。厚く御礼申し上げます。
 私の後は日本電池の田中社長にバトンを渡し、なんとも責務を終えることができ皆様のご協力に感謝いたしております。
 その後、日本経済は深刻的なデフレに突入し政治・経済とも国際・国内的に不穏な状態が続いています。この殺漠とした時代にあって、心のよりどころはやはり故郷である母校への思いではないでしょうか。今一度「日本人の良さと心」を取り戻すためにもこの50周年を期に洛友会のもとに集い、益々の発展を祈念したいものです。皆様のご活躍・ご健勝をお祈り申し上げます。

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