平成14年度電気電子工学系就職状況
電気電子工学科長 奥村浩士
電気工学専攻長 萩原朋道
電子物性工学専攻長 野田進
平成14年度の就職の世話は学科長,2専攻長が電気工学専攻と電子物性工学専攻長の大学院修士2回生,また学部学生もこの3名で行いましたが,情報学研究科の主として通信情報システム専攻の小野寺専攻長とも連絡をとりながら対処しました。
この不況にも関わらず,電気系には4百社を上回る求人依頼があり,当電気電子工学の出身者が企業で活躍を期待されております。電気系以外の企業からの求人が多かったことも事実です。これらの企業の期待に応える学生・院生を育成していく大学側の責務の重さを痛感しております。
さて,今年度の特徴は総合電機メーカーの人気が相対的に落ち,自動車企業の人気が高く,時代を反映しておりました。大樹がなくなっていく時代に大樹の影に寄ることの空しさを学生・院生が彼ら独特の若い感覚でキャッチしているように感じます。電気系教室では伝統的に推薦枠を設けて推薦をおこなってきていますので,今年度もそれを踏襲して推薦枠を設けました。しかし,応募したい学生・院生と面接し,
志望企業に入社したい強固な意志をもち,かつその会社にふさわしいと判断した学生には枠を越えて推薦状を出すこともありました。企業のほうで面接をしていただいて,その結果不採用になっても,学生自身の責任であるとの了解をとり推薦をいたしました。事実,推薦しても面接で不採用になった学生もかなりおります。推薦状も形式的になりつつあるというのが実感です。学生のほうも多様化し,自分が希望する会社の応募動機を明快に説明できる学生がいるかと思えば,何を目指して就職するのかがもうひとつ明確に説明できない学生もいました。採用が内定しても「この学生さんは電気回路の単位をとっていないから,入社するまえに回路の勉強するよう伝えてほしい」との注文を付ける企業もありました。また,「分布定数回路がわかっている学生が欲しい」,「回路設計に興味のない人はいりません」など初めから学生・院生の専門性を指定する企業もありました。昔のように,京大電気卒業者ならだれでもよいというわけにはいかなくなってまいりました。
企業によって,推薦制のみ,自由応募のみ,両者併用など企業の特徴が出て参りましたが,両者併用の企業にはどちらかにしていただくようにお願いしました。自由応募で,こちらの手を煩わせることなく内定をとる学生もおりましたが,多くは推薦を希望しました。
全体的に見て,電気系学生の就職希望者の就職率は高くほぼ100%にはなりました。平成14年度の学部卒業者数,修士課程修了者数と進学状況ならびに就職企業名を表で示しておきます。
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