「電気教室百周年記念誌」
 発刊の思い出
洛友会会報 200号


「電気教室百周年記念誌」発刊の思い出

松波 弘之 (昭和37年卒) 

 1998年(平成10年)に京都大学電気工学創設100周年を迎えるに当たり、記念事業の一環として100周年記念誌の刊行が企画され、電気系教室に編集委員会が発足しました。その世話役を務めましたので、経緯や感想を述べさせていただきます。
 委員会でいろいろと議論した結果、内容は、100年を振り返り、「教室の歴史」、「現在の教室の状況」と「研究分野」を紹介するとともに、電気関連教室の卒業生に依頼して「電気・電子業界の技術展望と今後の予測」を盛り込むことになりました。名誉教授や教室教官に100周年を期して今後の教育や研究への提言も依頼することにしました。業界の技術展望については、編集委員会の判断で分野ならびに題目を設定し、卒業生の方々に限定して各分野での活躍状況を手分けして調査し、依頼しました。
 また、広く卒業生の方々からの寄稿を期待して、ほぼ1年前から洛友会誌に4回にわたって寄稿を呼びかけるとともに、洛友会名簿に記載の各学年の評議員の方々に、「学年の思い出」をまとめてもらうことをお願いしました。加えて、350人を越える方々に直接依頼の書簡を出して寄稿を依頼しました。その結果170人を越える方々から寄稿をいただきました。貴重な写真や資料もお送りいただきました。それらを、技術、社会の将来に関するもの、思い出に関するものに分類して、掲載しました。
 寄稿には100年の歴史の中でそれぞれ貴重な一時代を担われた雰囲気がよく表れています。原稿は字数の大枠を決めてお願いしましたが、筆が弾まれた文はそのままとしてあります。校正は編集幹事が行い、用字用法(漢字や送りがな)も極力著者の原稿に従いました。なお、教室の歴史に関しては、京都帝国大學史(昭和18年12月)、京都大學工學部電気工學教室50年史(電気評論37巻、第3号、昭和24年9月号)、教室創設60年誌(洛友会報)、ならびに京都大学七十年史(昭和42年6月)、京都大学百年史(平成9年6月)を参考としてあります。
 100年の経緯を踏まえて、電気関連分野における教育と研究、さらには斯界における今後の方向が垣間見えるものとなりました。編集に関与された教室内編集委員の方々17名に感謝の意を表します。      

京都大学工学研究科 電子物性工学専攻

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