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海外赴任の思い出
西村長実（平４年卒）
卒業してから8年半くらい過ぎましたが、会社に入ってからの思い出として浮かんでくるのは、１９９８年から２年間イギリスに赴任していたことです。業務は、衛星携帯電話の設計開発でしたが、ベースバンド処理部の技術者としての赴任でした。
赴任地はロンドンから西へ車で50分程度の位置にあるロックフェスティバルで有名な都市でした。会社からは車で10分のところに住んでいましたので通勤が大変楽でした。多くの現地人も30分程度以内の通勤時間なので、人口密度が高すぎる日本の首都圏ではうらやましいものです。また、現地人はほとんど残業しません。早く帰って趣味の時間や家族との時間を大切にしているようです。トラブルの際は残業していましたが、残業が続いたときは、会社から家のほうに花束を贈ったりしていたようです。家族を犠牲にしてまで働いてもらったことに対する家族への配慮と聞きました。日本ではありえないことですが、家族を大切にするという気持ちは すばらしいものだと思いました。（最近は、子供と充分に接してあげていないのではないかと心配しています。）
また、現地人の転職の早さにもびっくりしました。３年から５年くらいで転職してキャリアアップをはかっているようでした。日本と違って転職の機会に恵まれている点はうらやましく思われました。転職が多いせいか、現地人は
交渉がうまいように感じました。逆に、技術はなくても口先だけでもなんとかやっている人もいましたが、とにかく何でも主張しないと損だなと思いました。
あちらで生活してみて 特に子供ができてから感じたことですが、イギリスは、子供をもつ女性が働きやすい環境にあると感じました。ベビーシッターや託児所が日本より充実しています。実際、私の家内が語学学校に行くときには、学校に託児所があって低料金で預かってもらっていました。日本では、雇用制度が変更の過程にあると思いますが、会社側の制度改革だけではなく、転職しやすい風土や託児所の充実等が追いついていかなければならないように感じます。
日本だと、休みの日は、家でごろごろしていることも多いのですが、赴任中は活動的に過ごしました。旅行は、ヨーロッパということでいろいろな国に行きました。なにせ、東京ー大阪を飛行機で飛ぶような感覚でフランスにいけるのですから。中でも一番記憶に残っているのは、一週間カナリア島でゆっくり過ごしたことです。今までの旅行は観光名所を次々に訪ねていくような旅行だっただけに、のんびり過ごすのもいいもんだなぁと感じました。ただ、そこはスペイン領だけに英語が通じる場所が限られていたので、旅行から戻ってイギリスで英語が普通に通じたときは、不思議なことにホッとしました。また、クリスマスの旅行は気をつけなければいけないことも実感しました。バスや電車の公共機関が運休になるからです。店がしまったりするのは、日本の正月のような感じなので理解できたのですが、電車がとまってしまうのには参りました。ちょうど12月25日出発の旅行にいったのですが、クリスマスが移動日の旅行は控えたほうがよいです。結局、空港までタクシーでいったのですが、通常時の３倍の運賃をとられました。移動先でもお店がしまっていたので、家内は悔しがっていました。
イギリス国内いろんなところにいきました。あちらでは、高速道路が無料なので、もっぱら車で旅行していました。日本の高速道路がなぜ赤字になるかは不思議ではありますが、イギリスではトンネルとかほとんどなくほぼ平坦な道路なので、建設費が安いのでしょう。渋滞も日本ほどひどくないので、運転も快適です。
ゴルフも飽きるほどしました。日本と違って昼休みが入らないところがいいです。18ホールまわったらビールと食事を頂き、あわよくばもう１ラウンドまわろうかといった感じでした。でも帰国後は２回しかゴルフにいってなくて、先日一年半ぶりにまわったときは、言うに忍びないスコアでした。なかなか練習する機会もないのですが、次回までにはもう少し練習しておきたいと思っています。
長々となりましたが、イギリスでの２年間は、人生において貴重な経験でした。現地の人とのふれあいの中で色々なことを学ぶことができたと感じています。日本に戻ってきてから
はや２年半くらい経ちますが、帰国後は国内出張すらない日々が続いています。帰国当初は やはり日本がいいなぁと思っていましたが、暫く経つとあちらでの生活が懐かしくなりました。大学の友人の中にも海外進出している人が多くなってきましたが、海外生活が羨ましく思えます。言葉の壁は多少ありましたが、人間らしい生活をおくれていたからでしょうか。忙しいだけの単純な日々が続いているので、何かしら良い刺激が欲しい今日この頃です。
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