教室だより 平成15年度電気電子工学系 進学・就職状況
電気電子工学科長 中村行宏
電気工学専攻長 引原隆士
電子工学専攻長 橘 邦英
平成15年度は、学科長、2専攻長および情報学研究科の特に通信情報システムについては 富田眞冶専攻長がお世話させて頂きました。本年度は、電気系2専攻の桂キャンパスへの移転、および電気系大学院の試験日程の8月上旬への繰り上げなど学生を取り巻く状況が日々変わったため、学部学生については吉田キャンパスで移転されない中村学科長が、各専攻についてはそれぞれの専攻長が中心に行うという形を取らせて頂きました。これは、8月をもって従来の電気系教室事務室が廃止されることを踏まえ、学科長、専攻長が責任を持ってそれぞれの学生に目の届いた指導をするためでした。洛友会関係各位には、教室の体制の変化でかなりのご迷惑をかけたことと存じます。ご協力ありがとうございました。
平成15年度は、電気系への求人は四百社以上、従来どおり依頼を頂きました。年度当初の状況に比べ就職活動が進む中で、景気の上向きの状況が進み、就職活動にとっては追い風となったようです。学部生、院生が期待されて採用に至っております。これらの学生が、社会の要請にこたえる実力を示してくれることを期待しております。しかしながら、電気電子関係の企業のリストラや再編は、卒業生ではなく大学受験生に影響を与えており、これが何年か後に卒業生の資質の問題としてはねかえって来ることを意識しておいて頂く必要があると思います。
さて,本年度の求人の特徴を二三述べさせていただきます。
その特徴のひとつに、昨年度来進められた企業の分社化および合併により、従来多く見られた特定の総合電機メーカーへの就職という方式が大きく変化したことが上げられます。分社化のため個別の会社でのマッチングを求める企業も増える一方、人事を別会社にして一括して採用を行うという形も増えました。このように、企業の形態の変化が就職活動に大きく影響を与えております。
次に、推薦制から自由応募への推移も進みました。推薦と自由応募の両方の枠を持つ企業では、推薦を得るにしてもインターネット上のページで登録して、自由応募と同様のエントリーのプロセスを踏んだ後、セミナーに参加を求め、その後大学での推薦を求めるという形を取るといった方法が取られておりました。このような傾向は今後益々進むものと思われます。本年度に関しては、本学への求人は推薦か自由化を明確にしていただくことで、基本的に推薦枠を頂いた企業を中心に就職のお世話を致しました。自由応募のみの企業では、最終学年に進級する前既に就職活動を始める要求をしており、教室が就職の指導を始める時期も前倒しする必要があるようです。本年度に関しては、推薦希望者の照会を連休明けに一度行い、採用試験前に企業の採用スケジュールに間に合うようにせざるを得ませんでした。今後益々自由応募に移行する企業が増えると思いますが、研究・教育の実態に合った適切な方法と時期に収束することが期待されます。
本年度は、頂いた推薦の求人数に対して、学内で一応の枠を設けて推薦を行いました。学生どおしの希望の重なりが少なかったため、大きな調整は行いませんでした。重なった場合には、本人の強い意志の有る場合には場合によっては推薦枠を越えて推薦を出させていただきました。
これまで電気電子工学科およびその大学院から就職していない企業、長い間就職していない企業からの熱心な求人に対して、学生はやはり旧来の企業およびその関係企業を選ぶことが多く、大学院試験の後も求人を頂きましたが、ご希望に添えませんでした。
ここ数年、京大の卒業生といえども就職において簡単ではないという状況は続いています。それが学生にも浸透してきたこともあり、面接試験などを受ける前に充分な準備を学生がするようになってきました。ある程度社会の枠に自分をあわせることが京大生にもできるようになってきたということと同時に、特別視はされないということを自覚した行動だと認識されます。
本年度の就職の状況を表にまとめておきます。ただし、通信情報システム専攻の就職状況の数には情報学科卒の学生が含まれていることをご了解ください。
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