京都大学桂キャンパス 電気系研究室見学会参加記
冨岡洋光(平2年卒)
1.はじめに
平成16年3月5日(金)に京都大学桂キャンパス電気系研究室見学会が開催されました。この見学会は、京都大学電気系教室と洛友会関西支部が共催という形で開催され、それに参加する機会を得ましたので、当日の様子をご紹介します。
当日は、午後から吉田キャンパスにて奥村浩士教授、牟田一彌教授の最終講義が開催される関係から、桂キャンパスの見学会は午前9時30分から正午までの開催となりました。
2.桂キャンパスの概要
桂キャンパスは、京都市西部の洛西ニュータウンに位置しており、最寄りとなる鉄道駅は、阪急電鉄の桂駅です。桂駅からは、京都市バスと京都交通が定期バスを運行しており、概ね4本/時間の便が確保されています。過密な吉田キャンパスと異なり、周囲は竹林が残る自然豊かな環境で、現在もキャンパスの造成工事が継続されています。なお、吉田キャンパスとの間にはシャトルバスが運行されており、約40分で結ばれています。
平成15年10月から大学院工学研究科「電気系専攻」と「化学系専攻」が吉田キャンパスから桂キャンパス(クラスターA)に移転し、「桂インテックセンター」(クラスターB)とともに、桂キャンパスにて教育・研究活動を開始しています。桂キャンパスでは、工学研究科の大学院生が勉学し、工学部の大学生は従来と同様に吉田キャンパスにて勉学しています。ただし、学部の講義は3回生までに集中して配置されており、4回生は卒業研究のため桂キャンパスにても勉学しています。また、今後数ヵ年をかけて、工学研究科の他の専攻科も桂キャンパスに移転する計画となっています。
電気系研究室は、クラスターAの中にある地上4階地下1階建てのA1棟に移転済みです。地下には共同実験室が、地上階には各研究室の教授室や学生居室および実験室が配置されています。今回は、この電気系研究室と桂インテックセンターの見学を行うことができました。
3.見学会当日の様子
当日は、まだ冷え込みの厳しい折にも関わらず、昭和19年卒業の方を筆頭に、遠くは東京方面からの方も含めて、27人の洛友会会員の参加がありました。中には、同期会を兼ねて参加していただいた学年もありました。また、教室では、電気系すべての研究室において、説明者を配置していただき、参加者からの質問に対応できる体制をとっていただきました。また、クラスターBにある時計塔では、「洛友会」という電光表示をしていただき、参加者を喜ばせていただきました。
参加者は、午前9時30分にクラスターAの電気系教室棟であるA1棟3Fロビーに集合し、引原隆士教授から全体説明を受けた後、各々研究室を訪問し、見学を行いました。
各研究室では、教授自らに研究室の研究概要を解説していただいたり、学生からは自らの製作した実験器具を前に研究の進捗を説明していただくなど、熱心なレクチャーを受けることができました。参加者も熱心に質問する方が多く、各研究室では活発な議論が行われました。その際には、大学の現状について、平成16年4月から独立行政法人化されるなど、キャンパスの移転のみならず、研究環境が大いに変革されつつある状況についても説明していただきました。最近は大学においても、JST(科学技術振興機構)などから研究費を調達して行う研究が主体となりつつあり、定められた期限内に成果を出す必要性が益々求められているという状況が印象に残りました。
当日午前11時からは、長尾真前総長、荒木光彦工学研究科長をお招きし、A1棟3Fロビーにて、長尾先生の揮毫「有志者事竟成」の上掲式が挙行されました。上掲式では、長尾先生自らが、故藤田茂夫教授とのエピソードを交え、「志の有る者は事がついに成る」と、書の意味を解説して下さいました。
上掲式の後は、キャンパス内にある桂インテックセンターを見学しました。ここでは、一つのテーマにつき5年間という期間限定で部門横断的に研究者が集まり研究プロジェクトを形成し、数々の学際的な研究が実施されています。最近クローズアップされているナノテクノロジーの研究プロジェクトでは、電気系と化学系の研究者が共同で研究を行っており、電気工学の新たな展開となっていることを説明していただきました。その際、「電気回路を相手にしていたのが、今は亀の甲(ベンゼン環)とも格闘しています。」と言っておられたのが印象的でした。
4.最後に
引原教授をはじめ、お忙しいところ参加者のために時間を割いて案内をしていただきたした各研究室の皆さまに紙上をお借りして、お礼申し上げます。
なお、見学会の様子につきましては、洛友会関西支部のホームページでも紹介しております。
(洛友会関西支部ホームページhttp://www.kisweb.ne.jp/rakuyu/)
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