東京支部の現状と課題について
東京支部長
馬場 征彦(昭37年卒)
東支部長としての巻頭言を書くにあたり、東京支部メンバーには勿論、他支部の方々にも参考になるのではないかとの思いを込めて、表記のテーマで記します。
東京支部では、過去数代の支部長及び役員が支部の課題について議論してきました。最近では、東京御在住の池上副会長にも御助言を頂きながら議論を進めているところです。以下にその概要を述べさせて頂きます。
1 東京支部の現状
私の独断や誤解があるかもしれませんが、東京支部についてアウトラインと特徴を記してみます。
・ 支部会員数=約2100名
会費納入者=約750名(いずれも平16年度の推定値)
会費納入者数は最近、1011ー944ー871ー750名と減少してきています。
・ ホームページを開設
支部関連の情報を支部HPに掲載。
URL :http://www.rakuyukai.org/
・ 支部役員=支部長、副支部長、総務幹事、会計幹事、庶務幹事の5名。支部長は1年任期で出身の企業や所属機関は広い範囲で持回っています。最近の例では、三菱電機、日立製作所、東芝、富士通、JR総研、NEC,JAXA、NTT(含む予定)です。
副支部長は次期支部長含みで選任されますし、他の幹事諸氏も広く各企業からお願いしています。ある意味では民主的な運営ですが、求心力とノウハウの継承が課題でもあります。
・ 年間の活動
支部総会、幹事会、役員会の他旅行会・見学会を各一回
慶事関連(喜寿・米寿)
趣味の会の支援(ゴルフ、テニス、囲碁、将棋、麻雀、謡曲の六団体)東京支部独自の活動として、拡大クラス会の支援(現在は昭和17年〜44年までの五団体)
2 支部活動における課題
その第一は財政問題であり、第二は若年層(といっても60歳位以下)の参加意識の向上、第三には支部活動のありかた、であります。互いに無関係ではありませんが、以下には単純化して記します。
(1)財政問題
現在直面する最も大きな課題です。その原因は本年1月の会報で池上副会長が述べておられる通りです。ここではその深刻さの程度を具体的な予算の数値で記します。(平16/17年度は推定値です)
単位万円
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収入
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支出
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繰越金
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平14年度
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233
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平15年度
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656
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368
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287
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平16年度
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374
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251
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123
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平17年度
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240
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240
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0
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即ち、平17年度末には繰越金が0となり平18年度には赤字転落です。ここで、平15年度は名簿広告収入288万円を含み、平17年度は名簿発行見送りのために広告収入は0としています。名簿発行を予定通りに行っても、広告収入は極めて厳しい状況にあり、過去の趨勢を延長すると前回(平15年度)より減って150万円程度と見込まれます。要は、東京支部の財政は、会費納入率の低下と名簿広告募集難により破綻寸前だということなのです。これに対する当面の施策は「入るるを計って出ずるを制する」しかないと思います。即ち毎年の支部会費収入約75万円と2年毎の広告または寄付収入を今後の期待値100万円とし、その1年分50万円を基本収入と考えて経常的な支出をそれらの合計125万円程度以下に抑えること、即ち次項を考えざるを得ないと思います。
*諸支出の削減
*受益者負担増
収入増に関しては
*会費納入率の改善
*臨時の寄付募集
等について議論を進めています。このうち、納入率改善については納入率が悪くなる世代以降の学年幹事の知恵を借りながら検討に着手した所です。長期的には、本部でスタートすることが決まった「洛友会のありかた検討WG」に期待しています。
(2)若年層の参加意識の向上
参加意識の問題の本質は、洛友会への期待やメリットにあると思われます。しかし、そもそも論を振りかざしても支部レベルでは如何ともしがたいので、当面は実践的に
*支部で学年幹事連絡網構築
*学年幹事は学年連絡網構築
をすることに着手しました。
この連絡網で洛友会関連情報を流すことにし、少しでも洛友会への関心をプロモートしたいとの思いです。この活動のために、今年度新たに庶務幹事を新設しHPや連絡網関連に専念してもらうことにしました。また、若手(と言っても支部長世代以降)の学年幹事による不定期の懇談会をスタートさせ本年に2回の集まりを持ちました。具体的な成果は未だですが、手ごたえを感じています。継続することが大切であると思っています。
(3)支部活動のありかた
長い歴史と諸先輩の熱心な活動によって育まれてきた現在の支部活動は、可能ならば全てを継続して行きたいとの思いではありますが、(1)項で記した財政の逼迫のために、もはや不可能になってきています。
本部と連動する部分については、先述しました本部のWGの成果に準じることは当然でありますが、支部固有の活動部分については、支部において変革(財政の許容範囲以内に縮小)せざるを得ないと思います。早ければ今年度の支部総会にお計りすることになるでしょう。
3 おわりに
国立大学は大学院大学化と独立行政法人化の流れによって大学内部にも大きな変化が生じているように見受けられます。一方大学間の競争は卒業生をも含めた全学的な広がりの様相も見え始めており、先駆的な大学では、全卒業生の組織化も合わせて進めているようであります(例えば、生涯メールアドレスの配布等)。洛友会は全学同窓会ではありませんが、このような流れをも意識して、歴史と伝統は是非維持して行かねばならないと全役員が感じてることを念のために申し添えておきます。
また、押しなべて昭35年以前の会員の皆様の会費納入率は極めて良好であり、前記の支部改革について若干なりとも釈然とされない面があるのではないかと推察申し上げますが、収入の大部分は広告収入にあったことだけはご理解頂きたいと存じます。
いずれにせよ、支部活動内容の変革は待ったなし状態にあることはご理解賜りたいのであります。
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