ニ六年会上高地・奥飛騨旅行記
昭和26年卒業同窓会(略称二六年会)は平成17年5月25〜27日、上高地・奥飛騨の旅行を楽しみました。参加者は、奥様を含め24名(会員16名、奥さま8名)でした。現会員34名ですから、遠出にしては良い参加率でしょう。この計画は実は昨年10月だったのですが、昨年中部山岳地帯に大災害をもたらした(今でも高山線は一部不通です)10月20日の台風に遭遇、延期されたものです。今回は昨年と打って変わって好天に恵まれ、素晴らしい山の景色を満喫出来ました。
5月25日12時、関東・中部・関西各方面からJR松本駅前に集合、待機していた岐阜バスに乗り込み「そばどころこばやし」に移動しました。蕎麦は客の顔を見てから始める。蕎麦が出る前に幹事から行程説明と、久しぶりに会った仲間の談話に花が咲きます。
行程は松本では松本城を見て、県(あがた)の森の「旧制高校記念館」を見学、上高地には17時頃到着予定。ホテル白樺荘で一泊。26日午前中は上高地を散策して11時出発、安房(あぼう)トンネルを抜けて平湯で昼食、乗鞍スカイライン経由乗鞍山頂畳平(標高2700m)へ、付近散策の後新穂高温泉へ。泊
3日目は朝一番(8時30分発)のロープウェイで標高2156mの西穂高口(千石園地)へ、園地散策の後下山、10時発高山へ。
高山グリーンホテルで昼食、高山は素通りして東海北陸道、荘川IC経由、御母衣(みぼろ)ダム湖畔の荘川桜を見る。最後は「荘川の里・合掌造り」見学の後東海北陸道・岐阜羽島IC経由JR岐阜羽島駅到着は16時です。
信州蕎麦を味わった後移動は5分。松本城見学(14時〜15時)5層6階の天主は現存する城としてはわが国最古、国宝の城は姫路・彦根・犬山と、この松本です。階段の傾斜は最大で75度もあろうか?チョッと我々の年齢にはきつかったが半数以上は登ったと思う。体調の都合で登れなかった人も素晴らしい庭園を散策、お互い写真を撮り合っていました。
旧制高校記念館・松本高校校舎は松本城から約3キロメートル、県の森にあります。会員全員が旧制高校の出身、60年前の青春に帰った思いでしょう。旧制高校38校の内、当時の面影を留めているのは此処だけ、(京都の三高など面影もありません)しかもこの講堂は今も小沢征爾コンサートの練習場所になっているそうです。歌声が聞こえてきました。小林秀雄作曲「落葉松」の合唱、かなりレベルは高いようです。他の部屋もいろんな文化活動に開放されています。
記念館を後に愈々目的地上高地へ、国道158号線を梓川に沿って走ります。奈川渡ダムを過ぎて、道はつづら折り、釜トンネル(信号機による交互通行)です。隣に新トンネル工事中ですが、狭い真っ暗なトンネルです。トンネルを出ると別天地、左に焼岳(標高2445m)がかすかに噴煙を吐いています。そして大正池です。この池は大正四年の焼岳大噴火によって出来た池ですが、最近の噴火で池が狭くなったそうです。上高地は標高1500m、山々と落葉松・白樺など樹々と清流が織り成す原始世界です。
ここで「上高地帝国ホテルでコーヒーが飲めないか」提案があり、立ち寄りました。駐車場も宿泊客用だけ、出たとこ勝負。結果はオーケー。暖炉のある木造のラウンジでのコーヒーはなかなかのものでした。道草を食った為ホテル白樺荘についたのは6時半、此処はホテルと言うより高級山荘と言った感じです。遅れたので「直ぐ食事を」と言われ、あわただしい初日でした。
2日目は11時まで自由行動、朝食前に明神池に行く組もありましたが幹事は平均的な7時半食事、明神池(又は大正池)コースです。上高地は神が明神池に降りた。つまり神降地だったそうで、此処明神池に穂高神社奥宮があり、浅い池ですが水は清澄そのもの、魚が人を恐れず(上高地は動物も植物も獲ってはいけません)泳いでいるのが見えます。「上高地で明神池を見なければ」と言われ、行きましたが、ややきついコースでした。
11時、一同バスに集合。此処で吃驚、乗鞍スカイライン(5月15日開通したばかり)が昨夜の雪で通行止めだそうです。「兎に角、昼食場所の平湯まで行って考えよう」と出発しました。安房トンネルを抜けると直ぐ平湯、(昔は平湯峠を越すに1時間、信州と飛騨は別の世界でした)
此処での情報。雪はかなりな量で明日も危ないとの事。急遽ホテル新穂高と連絡、「明朝のロープウェイ登頂を今日にする事」にして新穂高温泉に向かいました。これがむしろラッキーでした。(明朝は雲が出て眺望が悪かった)(次号につづく) 石川 進(昭和26年卒)
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