会長に選出されて
洛友会会長
長尾 真(昭和34年卒)
これまで長期にわたり会長を勤め、洛友会の発展に尽力して来て下さった近藤文治先生が会長を退かれることになり、本年6月18日に開かれた洛友会総会にて、私が後任として選出されました。会長の大役が勤まるかどうか分かりませんが、力を尽くして皆様方のお役に立ちたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
時代の変化と洛友会
洛友会は長い歴史を持ち、私どもが学生だった頃は大学とともに洛友会の皆様にも、卒業の際のお別れパーティー(当時は余銭会と謝恩会の2つがあった)やその他の機会にお世話になったわけですが、最近は学生数も増え、時代も変わって、先生と学生の間、洛友会と教室の間の関係も昔のようではなくなって来ておりました。
しかし、国立大学が自立した法人となり、全てのことに自己責任であたらねばならなくなったこと、大学における学生の教育に以前にも増して力をそそがねばならないということがよく認識されるようになったこと、さらに大学と社会との関係がこれまで以上に密であることが期待されていることなどの変化があり、これまでのような大学と洛友会のあり方を考えなおすべき時に来ていると考えられます。
洛友会では既にそのような認識のもとに、会長の近藤文治先生、幹事の木村磐根先生を中心にして、洛友会のこれからのあり方を検討するワーキンググループが作られ、この会報にも検討の概要が報告されていますように、何度か会合を重ね、方向性が示されつつあります。
電気系情報系教室と洛友会の協力
このような検討を通じて出されてきた考え方の一つは、電気系情報系教室と洛友会がより密接に連携していろんな活動をしてゆくことであります。私達の学生の頃の電気教室と洛友会の関係とは少し違って、現代の社会と大学との関係の主旨を十分にふまえた関係を目指すことであります。幸い電気系情報系教室の方も現在工学部長の要職にある荒木光彦先生をはじめ、教室主任その他の先生方も、この考え方に賛成され、いろいろと洛友会の発展のために手をさしのべて下さることになり、ありがたく存じているところであります。
これからの洛友会の活動の方向
ところで、この新しい時代における洛友会の目的は何か、我々のやるべきことは何かについて、ここで少し考えてみたいと存じます。私は以下に記しますような幾つかの課題があるのではないかと存じます。
(1) 洛友会の第一の目的は電気系学科卒業生の親睦にあることは疑いを入れません。社会、企業など、日本中のいろんなところで活躍しておられる卒業生の皆さんがお互いに知り合い、親睦をはかることが、それぞれの職場における活動、物の考え方等に大きな貢献をすることは間違いのないことであります。しかしこれに気付いて洛友会に出席しようかと思うようになるのは50歳を過ぎてからというのは誠に残念なことであります。30代の後半から40代の人生において最も活躍する年代の人達にこれをよく認識してもらうことが大切であります。この年代は最も忙しい年頃であることは事実ですが、いろいろと工夫をして魅力のある企画を考え、こういった人達に出席しようと思ってもらう努力が必要です。そうすれば洛友会への会費の納入率も改善されてゆくでしょう。私も考えますが、よいアイデアがありましたらぜひご提案下さるようお願い致します。
(2) 京都大学の電気系情報系教室は教育研究において日本トップに位置して活躍しておられ、最近では文部科学省のセンター・オブ・エクセレンスに指定されています。また産学連携にも積極的で、副学長をしておられる松重和美教授などを中心としていろんな活動が行われております。私ども洛友会もこういった電気系教室の活動に対していろんな形で側面的な支援をしてゆくことが大切と考えます。そうすることによって電気系情報系教室がますます発展し、そこから輩出される洛友会会員も社会で大きく活躍されることになるからであります。私どもが今日あるのも京都大学電気系情報系教室のおかげと考えて、恩返しを少しでもするべく活動することが大切であります。その具体的な方法にはいろんな形がありますが、これについても皆様方からのご提案を期待したいと存じます。
(3) 京都大学の学生は世間にうとい、社会をあまりよく知らない、チャレンジ精神が少し足りないのではないかと言われたりしております。洛友会の諸氏の中にはチャレンジ精神の旺盛な方も多くいらっしゃいますし、若い後輩にいろいろと社会のことを教えてやろうという気持ちを持っておられる方もいらっしゃると存じます。電気系教室の先生方とよく相談して、社会の風を学生諸君に吹き込むような企画を考えることも有効ではないかと考えております。
以上、思いつくままにいろいろと述べましたが、皆さんからのご意見を積極的に寄せていただき、副会長、幹事、各支部の役員の皆様方とよく相談しながら洛友会の活動を進めてゆきたいと考えております。ぜひともよろしくお願い申し上げます。
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