会員の寄稿(2)  
洛友会会報 215号


健康について想うこと

杉谷 達夫 (昭和50年卒・中部支部)

 私事で恐縮ですが、50歳も半ばになり健康と言うものが大きな関心事となりました。健康には運動が一番と、ゴルフに嵌まり込んで毎週1〜2回ゴルフ場に通っています。妻には白い眼で見られたり、呆れられたりしていますが、めげずに朝早く起きて頑張っています。以前は仕事一途の生活で、身体のことを気遣う余裕もなく、腰痛のため車から降りる時など腰をかばって両手で身体を支えて立ち上がったりしてみっともない光景のこともありました。今は運動後の筋肉痛で腰が痛いことはあっても普通の動きが出来ていると思います。
 先日もラグーナ蒲郡という健康増進施設に妻と一緒に行きました。ここは海水を温めたプールで水流やジェットの中をウォーキングしたり、全身の力を抜いてただ浮かんでいるだけで心身共にリラックス出来たりします。海藻を使った全身パックや脂肪の塊・セルライトを除去するマッサージもあります。プールでの指導員やセラピストの女性達は化粧もしていないのに、肌は艶々で健康そのものの美しさが感じられます。大変気持ちの良い一日を過ごすことが出来ますので、一度体験されてみることをお奨めいたします。
 その様に、歳の割にはアクティブに活動している積もりなのですが、勤務先の健康管理部署からはお小言をいただいております。やれウェストは85cm以下でなくてはいけないとか、体重を身長の二乗で割り算した値(BMI)が23を超えているとかの指導を受けてしまいます。個人の健康を気遣ってくれるのは大変有難い事とは思いますが、その数値は日本人の平均値と聞いています。なぜ皆同じでなくてはいけないのでしょうか?人それぞれに特徴があっても良いのでないでしょうか?その人が自分の生活パターンの中で適切に活動できて快適であれば、他の人と比較することに大きな意味はないと思います。健康指標の数値に近い体型は身体の各部に無駄や無理が少なく効率的なのかも知れませんが、人は効率的な道具ではないし、そのようになりたくもありません。人を平均値でワンパターン化して、そこからずれてしまうと、あたかも病人のように扱われてしまうことが最近多いのではと感じるのは私だけでしょうか?
 平均値でワンパターン化ということで一番恐ろしいと思うことは、身体の健康よりも心の健康に対してです。私の周りの人々、仕事の関係者や古くからの友人、知人で心の健康を損ねているとされている人がかなりの人数います。でもその人達と話をしてみると、本人が自信をなくしていることを除いて何もおかしいことは無いように思います。
 人の評価尺度(これ自体厭な言葉ですが)を20も30も設けて、其の内の1つか2つかでも平均値を下回っていると、ワンパターン化の人間評価で問題ありと言われてしまい、本人もいつしか自分はダメな人間なんだと思い込んでしまうのではないでしょうか?他人に著しい迷惑をかけないということさえ守っておけば、平均値やワンパターン化の人間評価なんてほっておけば良いのですが、優秀で真面目な人ほど罠にかかりやすく心の健康を害してしまっているようです。多様な人間性を認めない社会が悪いと言ってしまえばそれまでですが、自分自身が多様性を認識するところから始めてみたいと思います。自分の中だけで考えていても世界が限られるので、本を読むとか、多くの友と語り合うとかが良いと思います。友と言っても幼なじみや学校の学友、職場の仲間や趣味の仲間などいろいろありますが、一番面白いのは趣味の仲間ではないかと思います。私の場合ゴルフの仲間なんですが、年齢も20台から80台までと範囲がひろく、職業、生まれた地域もさまざまで、一緒にゴルフのラウンドをさせてもらうと何時も新鮮な感動をもらう事が出来ます。生活に関する利害関係がなく、勝負に対する張り合いだけがあるので、その人それぞれのお人柄などが垣間見れるのは大変面白く、かつ自分自身の心のビタミン剤となるような気がします。ゴルフを楽しんでいると更に、友というのは人間だけとは限らない、ゴルフコースという人間と自然が作り上げたものが、人の思うようには行かないこともあると教えてくれるの
は、厳しい友の言葉と同じようにも感じます。
 今回のテーマである、健康について想うことに戻ってみると、ゴルフは身体も心も健康になる良い方法ではないかということです。心身共に健康のためにはとか偉そうな事を書いてきましたが、要はゴルフは楽しい、ゴルフに行きたいというだけのことかもしれません。「心の健康で大切な友」の中でも最も大切な家族(妻)のご機嫌をとりながら、さあ明日もゴルフに行きましょう。


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