最近の趣味の話
松浦 弘樹 (平7年卒・中部支部)
ここ半年ほどであるが、園芸(庭いじり)に凝っている。私をよく知らないひとがこのことを聞くと、「いい趣味ですね。」といったような反応を示して頂けるのだが、友人などからは「どうしたの?」や「変わったな。」というような反応が返ってくる。というのも、半年前までの趣味といえば、競馬、パチンコ、マージャンといった園芸とは対極にあるようなものであったのだ。
そんな私が、なぜ園芸にはまっているのか?そのきっかけは、ありがちな理由ではあるが、半年前にマイホームを建てたことにある。所得税の住宅ローン控除が縮小の方向にあり、そのうち消費税率も引き上げられそうだし、2年もすれば長男が小学校に上がるということで、思い切って家を建てたのであるが、小さな庭はフェンスで囲っただけの必要最低限の施工までしか手が出なかった。
しかし、リビングに面したその庭の向こうには1m程下がった土地に十台程度の駐車場があり、そこからの視線が気になる(実際に見られているわけではないが。)ので、生垣を自分達で植えようということになったのである。
そこで、どのような木を植えるか、インターネットと近所の家を参考にしながら選ぶことにした。前述したように、これまで園芸とは程遠い生活を送ってきているし、植物の栽培など、小学校の朝顔の観察以来なので、できるだけ手間のかからない丈夫な木にしようと色々と種類を調べた。しかし、丈夫な木は、すなわち成長力が強いので定期的に刈り込む必要があり、刈った枝の処分なども考えなければならないし、都合よく手間要らずな木はそんなにないという結論にすぐ到達した。
そんな中、インターネットの園芸関連のページで見つけたのがブルーベリーであった。
ブルーベリーは、成長しても2メートル程度と手頃であり、病害虫にも強く無農薬で育てられるという利点があり、なによりも果実を楽しむことができるという魅力があった。また、育て方はやや特殊な特徴があるものの、それさえ押さえれば育てるのは簡単だそうで、実を収穫するという目的があれば、少々の手間は克服できるのではないかと考えたのだ。
それ以来、主にインターネットでブルーベリーについて調べたのだが、ブルーベリーに関するホームページを開設している業者や愛好家が意外と多く、情報収集には事欠かず、結局、現在まで本を買うことはなかった。
さて、ブルーベリーには、200種類以上もの品種があり、主な品種の系統として、暖地(ミカンの栽培地域)向きのラビットアイ系と寒地(リンゴの栽培地域)向きのハイブッシュ系に分かれている。この他に、ハイブッシュ系を暖地向きに改良したサザンハイブッシュ系や極寒地向きのローブッシュ系、ハーフハイブッシュ系がある。
また、ブルーベリーは単一品種を栽培するよりも同一系統の複数の品種を並べて栽培した方が、受粉の成功率や実の大きさが良く、愛知県にある我が家では、ラビットアイ系とサザンハイブッシュ系を数品種ずつ植えることにした。
次に、品種選びであるが、品種によって、実の大きさや味、木の成長の仕方や栽培の難易度が異なり、まずは最大の目的である実の味の評判が良い品種で、かつ本来の目的であった生垣向きの直立性(木が縦に成長する。)の品種をピックアップしていった。選んだ品種の入手については、ホームセンターなどに置いてある苗木は状態を目で確認できる利点があるものの、表示の品種と実際のものとが異なるケースも結構あるらしいので、信頼の置ける通信販売の苗木業者から購入することにした。
そして、ブルーベリーを植え付ける土壌であるが、これがブルーベリー栽培の特徴の一つであり、酸性で、保水性、通気性に優れた用土にすることが必要となる。酸性の土にするには、ピートモスといって、湿地などに水苔が堆積してできた強酸性の用土を使用する。また、最近、ブルーベリー栽培において、通気性が重要視され、針葉樹の樹皮や小枝のチップを用土として利用することが注目されてきており、我が家もこの針葉樹チップを主体として、ピートモスと元の庭土をブレンドした用土を用いることにした。しかし、これが重労働で、スコップ一本で庭を幅70センチ程度、深さ50センチ程度の帯状に掘り起こしていき、掘った土をふるいにかけ、チップとピートモスを混ぜ合わせて、またもとの掘った穴へ戻すといった作業を毎週末、少しずつ実施していき、4ヶ月掛かって、ようやくブルーベリーの植え付けが完成したのであった。
おかげで、近所でも評判だったようで、嫁さんがご近所と会うと、「旦那さん、がんばってるね。」としばしば声をかけられたそうで、新しい土地でのご近所付き合いに一役買っているようである。
さて、最近のブルーベリーの様子であるが、今年は暖冬ということもあってか、2月の下旬頃から新芽や蕾が膨らみ出しており、まあそれなりに順調のようである。まだ、木が幼いので、今年の収穫はあまり期待できなさそうであるが、何はともあれ楽しみである。
次なる計画は、庭に芝を張ることである。私の園芸ライフはまだまだ続く・・・
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