本部だより
洛友会会報 218号


「上之園親佐先生を偲ぶ会」開催報告

 平成19年3月14日に他界された故上之園親佐先生を偲ぶ会を同年6月17日、京都大学百周年時計台記念館を会場として、電気工学第二学科上之園研究室同窓会の主催で開催いたしました。名誉教授の先生方を含む洛友会の皆様方をはじめとして、故上之園先生と親交を温めてこられました多くの方々のご出席を賜りましたことに対しまして、同窓会員一同大変感謝致しております。洛友会報の紙面をお借りしてお礼申し上げますとともに、本偲ぶ会について以下にご報告させて頂きます。
 まず、故上之園先生のご経歴を要約して紹介させていただきます。詳細なご経歴ならびにご業績につきましては既に7月発行の洛友会報第217号におきまして、当同窓会員の名誉教授 上田v亮先生が詳しく書いておられますのでご参照頂ければ幸いです。
 上之園先生は、昭和18年京都帝国大学工学部電気工学科を卒業され、満州電業株式会社勤務の後、昭和22年日本発送電株式会社電力技術研究所(現財団法人電力中央研究所)に勤務されました。昭和42年1月京都大学工学部教授に就任され、電力系統工学講座を担任されました。昭和57年に停年により退官され、京都大学名誉教授の称号を受けられた後は、摂南大学客員教授、関西電力株式会社顧問等を務められました。
 先生は(財)電力中央研究所勤務の間、電力第二部長兼塩原実験場長として超超高電圧(500 kV)送電システムの基盤技術の確立に力を注がれ、電気エネルギー供給システムの構築に貢献されました。京都大学就任後は発電機の脱調現象の研究ならびに送電鉄塔の雷サージ事故低減法の研究など、電力システムの安定運用および信頼性の向上に関する研究を指導され、これらの分野において多くの人材を輩出されました。また、京都大学評議員などにより本学の管理運営および発展に貢献されるとともに、電気学会会長、学術会議会員などの要職も歴任されました。これら一連の教育研究活動、学会活動により平成3年11月、勲三等旭日章を受けておられます。またこの度、正五位を授けられました。

 さて、6月17日の上之園親佐先生を偲ぶ会におきましては、前述の洛友会関係の皆様方の他、ご遺族、電力中央研究所関係者、関西電力関係者、先生が卒業された高等学校である鹿児島県川辺高校同窓会の関係者、顧問等を務められた複数の研究所等の関係者など、上之園研究室同窓生を含めて約130名の方々のご参加を頂き、和やかに、かつ滞りなく開催することができました。
 偲ぶ会を振り返ってみますと初めに上之園先生の御遺影を飾る祭壇におきまして参加の皆様一人ひとりに献花をして頂きました。続く立食形式の偲ぶ会では、同窓会を代表して上田v亮先生よりご挨拶を頂きました。会場には、先生のご業績を偲ぶ勲章や賞状ならびに論文・書籍・資料を展示するとともに、電力中央研究所時代からの回想スライドを投写いたしました。その後、上之薗博 電力中央研究所名誉顧問から、上之園先生が電力中央研究所に在籍されていた当時のお話を伺いました。各テーブルでは上之園先生のご業績とともに、先生のお人柄などについての話題が尽きず、和やかに会が進められました。最後に、ご遺族のご挨拶をもって散会といたしました。
 上之園先生ご自身の学びの場であり、また、私どもが先生からご指導頂いた場でもある京都大学におきまして、先生のご業績とご遺徳を偲ぶ会をこのように多くの皆様のご参加のもとに開催させて頂くことができましたことは、先生にも大変お喜び頂けたことと同窓会員一同深く感謝申し上げる次第でございます。
 以上、上之園親佐先生を偲ぶ会につきましてご参加ならびにご協力頂きました皆様に対しまして、ご遺族ともども心からお礼を申し上げますとともに、ご報告申し上げます。
              
 上之園親佐先生を偲ぶ会 事務代表
  山本 修(電気工学専攻)


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