本場「阿波踊り」
來山 征士(昭42年卒・四国支部)
徳島に移って10年になります。ここ徳島ではお盆の4日間、「踊る阿呆に、見る阿呆。同じ阿呆なら踊らにゃソンソン。」でお馴染みの阿波踊りが繰り広げられます。毎年150万人が繰り出し、街は踊り一色となります。今や東京・高円寺阿波踊りなど、全国で踊られているので、お馴染の方も多いかと思いますが、阿波踊りについて若干ご紹介いたします。
阿波踊りの起源は諸説があり、はっきりとは分かっていません。現代の形になったのは戦後のようです。この阿波踊りは、「手をあげて足を運べば阿波踊り」と言うぐらい元来簡単なものです。「連」という踊りグループごとにリズミカルな囃子に合わせ、踊り手が踊ります。ひとつの連は、50人から多くても200人です。連の名前を記した提灯が連を先導します。囃子は、大太鼓、小太鼓、笛、三味線、鉦などが一体となって奏でます。笛が唯一のメロディー楽器で、その他はすべてリズム楽器です。囃子の指揮をとるのが笛です。踊りは、勇壮な男踊り、しなやかな女踊り、最近では女法被踊りもあります。服装は男性では着流しに地下足袋の姿、女性では笠、着物に下駄の姿が標準です。
阿波踊りの連には、有名連、企業連、学生連、にわか連など約1000連があります。有名連は33連で、伝統の中にも新しさを加えた踊りを競っています。勤務先の電気電子工学科にも、元気のいい「雷連」があり、4日間踊ります。見物だけでは物足りない方はにわか連で踊ることができます。有料桟敷のある演舞場からのテレビ中継はご覧になった方が多いと思いますが、街角至るところでも観衆を交えた辻踊りも行われています。また、前夜祭および期間中の昼間に行われる有名連による、趣向を凝らした舞台踊りも一見の価値があります。特筆すべきは、有名連合同による「総踊り」です。1000人以上の踊り手が演舞場に一斉に踊り込む様はまさに圧巻です。毎夜、10時から南内演舞場のみで見ることができます。この光景は、さだまさし原作の映画「眉山」のクライマックスシーンにも出てきます。
以上、阿波踊りについて若干紹介させていただきましたが、実際に目の前で本場阿波踊りを見、自ら踊っていただくのが一番です。機会がありましたら、阿波徳島に足を運ばれることをお勧めします。
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