会員寄稿(4)
洛友会会報 218号


オートキャンプのススメ

岩城 吉信(昭57年卒・関西支部)

 ここ数年我が家は、春秋は職場の同僚や旧友のグループで家族ぐるみ大人数バーベキュー、夏は我が家だけで行くファミリーキャンプや海水浴、大人数でのグループキャンプなどアウトドアイベント目白押し、レジャーシーズンの週末は大忙しである。私も妻もアウトドア派?詰まるところ趣味が一致して(どちらかと言うと妻に引き込まれて)、子供を巻き込んでキャンパーになっている。子供は二人とも1歳になるかならずの内からテントで寝た経験を持ち、今や小さいながらもベテランキャンパーである。
 キャンプと言ってもとことんワイルドさを追求するわけではなく、テントを張るところまで車を乗り入れられる手軽なオートキャンプ専門。近畿エリアから出た事はなく、主に夏休みに2〜3回避暑を兼ね、最も多く行っているお気に入りは奈良・吉野の黒滝、天川、大塔辺りの林間・河畔のキャンプ場である。
 一昔前までは吉野辺りまで車で行くのは一苦労だったが、最近は道もかなり整備されてキャンプ場まで快適なドライブが楽しめる。もっとも三桁国道を延々と走る訳で、昔ながらの狭い箇所ではすれ違うことができず、前から車が来ると待つ必要があったり、梅雨に豪雨が続くと土砂崩れで通行止めになっている箇所があったり、と相変わらず注意は必要である。
 朝家を出て昼頃にキャンプ場に到着、荷物を満載したワンボックスカーをキャンプサイトまで乗り入れ、テントとスクリーンタープ(日除け、虫除け)を設営、テーブル、椅子を並べ終わるともう汗だく。設営完了と共に綺麗で冷たい清流に直行して浸かれば天国、とても気持ちがいい。帰る日は朝食後撤収を開始、撤収完了するとまた汗だくなので昼まで川に浸かって汗を流して帰る。昔の三角テントに比べ最近のテント類は設営も撤収も簡単にできるようになっているが、1泊2日だと設営の次の朝すぐに撤収しなければならず、忙しなさばかりが印象として残るので、日程が許せば2泊3日で行くようにしている。
 海水浴を兼ねて海辺のキャンプ場に行ってみるのもいいなとは思うが、海水はやはり洗い落とさなければならないだろうし、何より山に比べて暑い印象が強く、エアコンなしで寝る事ができるのか自信がない。その点、綺麗な川は水風呂に入っているのと同じだから、そのまま寝ても構わないし、山間部の朝晩は場合によっては寒いくらいの涼しさである。
 キャンプでの食事メニュー、定番はやはりバーベキュー(炭火焼き)で必ず一食はこれになる。川でアユなど川魚を釣って炭火で焼いて食べている人もいる。他はツーバーナー(2口コンロ)やカセットコンロを使えば大概の物は作る事ができる。ご飯は飯盒炊さんが基本だと思うが、キャンプ場によってはAC電源付きのサイトもあって、電気炊飯器持参でご飯を炊いている人もいる(以前、秋キャンプに行ったときには、夜寒いから、とテントの中にホットカーペットを敷いている人もいた)。手軽に済ますなら、例えばカップ麺やレトルトカレーでもアウトドアで食べると美味しく感じるし、カレーや焼きそばを自分で作れば美味しさもひとしおである。
 安上がり、という点もキャンプの大きな魅力のひとつ。一家で2泊3日の旅行に行って旅館やホテルに泊まると食事も含め10万円オーダーの費用がかかってしまうが、それを2泊3日のキャンプにすれば場所代と食材含めて2万円内外で納められる手頃さだ。もちろん「上げ膳据え膳」というわけにはいかず、泊まるところも食べる物も自前で作らなければならないが、それもまた楽しみのひとつ、特にグループで行くと、日帰りバーベキューでも同様だが、皆で器材、食材、飲物を持ち寄ってワイワイ楽しく焼きながら美味しく食べられて、しかもかなり安く上がる。
 キャンプ用品には様々なものがあって、妻に言わせると昔より軽くていい物が格段に安くなっているとのことで、ブランドに拘らなければ必要最小限の物を5万円以内で揃えることができる。ホームセンターに行けばアウトドアコーナーでついつい立ち止まり、色んなグッズを見て時間を忘れてしまうし、キャンプ場で他のキャンパーが持っている物を見て歩くのも楽しい。ただ、次から次へと欲しい物が出てきて、どんどん道具が増えていってしまうのが悩みの種。我が家にはキャンプ用品、アウトドアグッズ用に物置を一つ置かざるを得ないくらい、既にかなりの物を持っているにもかかわらず、である。
 キャンプをしている人は子供が小学生くらいまでの家族連れが主流だが、中には年配のご夫婦で来られているケースもあり、老若男女を問わず自然の中で楽しめるレジャーである。我が家も子供が大きくなって親に付き合ってくれなくなったら、かのご夫婦のように妻と二人でキャンプをしているかも知れない。
 夕方はヒグラシの涼しげな鳴き声が聞こえ、夜は風情あるランタンの光の下でのんびり、天気がよければ満天の星を仰ぎ見ることもできる。お手頃価格で楽しく自然を満喫できるオートキャンプ、今しばらくはハマりそうな我が家イチオシのレジャーである。






  ページ上部に戻る
218号目次に戻る



洛友会ホームページ