支部だより(1)
洛友会会報 220号


中部支部「秋の例会」報告

 中部支部恒例の家族同伴での秋の例会が、12月1日(土)に実施された。今回は、三重県の津市と伊賀市にまたがる青山高原にあるウインドパーク美里と伊賀上野公園を巡るバス旅行であった。例年は10月か11月に実施していたが、3年振りのバス旅行で準備着手が遅れたせいもあり、12月に入ってからの旅行となり、天候が一番の心配事であった。幸い当日は快晴で、名古屋ではコートも不要かと思うほどの暖かさで、事務局一同胸を撫で下ろした次第であった。
 ウインドパーク美里は、中部電力グループの潟Vーテックが建設・運営しており、2,000kWの風力発電機が8基設置され、平成18年2月より運転されている。最大出力1万6千kWで年間発電量が約4千万kWhとなっており、年間利用率で28%を越える全国トップレベルの風況となっている。発電設備は、タワー高さ60m、ブレード(羽根)の長さ39m、ローター直径80mと巨大なものであり、建設に当たっての運搬には非常に苦労されたとのことであった。特にブレードは一本ものであるため、運搬途中では立てて運ぶことを前提にして、切り土による道路建設の環境影響低減が図られている。我々が見学に利用したバスは、当日の参加者20名がゆったり座れる程度の中型バスであったが、管理棟のある最奥部まで行くには、先頭や腹・尻といった部分を擦りそうな箇所が何箇所かあり、ドライバーが大変苦労されていた。工事用車両はさぞかし大変であったろうと実感した次第である。管理棟サイトには風力発電機も1基あり、実際に回っている風車を真下から見たり、下部直径約4mのタワー内部にも入れていただいたりして、その迫力を存分に体感することが出来た。休みの日にも拘らず対応していただいた潟Vーテックの堀出企画部長、中西風力発電部長はじめ関係者の皆さんに深く感謝する次第である。
 この青山高原一帯では、旧久居市(現津市)開発・運営の久居榊原風力発電施設(750kW×4基)、津市・伊賀市・シーテックによる第三セクター叶ツ山高原ウインドファーム(750kW×20基)も運転中であり、更にシーテックによるウインドパーク笠取(2000kW×19基)も現在建設中である。ウインドパーク笠取はこの10月に着工したばかりであり、平成22年より順次運転開始の予定である。完成の暁には、この地区は総基数50基を越す全国屈指の風力発電地帯となる。地球環境問題が注目される現在、その対策としての再生可能エネルギーの代表地点となることが期待される。
 青山高原視察の後、伊賀市内の老舗「金谷」にて少し遅めの昼食として伊賀牛のすき焼きを堪能し、忍者屋敷見学、伊賀上野城散策をしながら帰途に就いた。

   松浦 昌則(昭53年卒)記





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