「林 宗明先生を偲ぶ会」開催報告
平成21年4月29日に他界された故林 宗明先生を偲ぶ会を同年9月12日、京都大学百周年時計台記念館を会場として、電気工学科林研究室同窓会の主催で開催いたしました。名誉教授の先生方を含む洛友会の皆様方をはじめとして、林先生と親交を結んでこられた多くの方々のご出席を賜りました。洛友会報の紙面をお借りしてご出席、ご協力頂きました皆様に厚くお礼申し上げますとともに、本偲ぶ会について以下に報告させていただきます。
まず、故林先生のご略歴を紹介させていただきます。林先生は、昭和2年7月26日に宮崎県にてお生まれになり、第二鹿児島中学校、第七高等学校を経て京都大学工学部電気工学科にご入学、昭和27年に京都大学をご卒業されました。卒業後は一旦鰹Z友電気工業に勤められましたが、昭和30年に京都大学へ転職され、大久保研究室の助手となられました。その後、講師、助教授を経て、大久保教授の退官後、発送配電研究室を引き継がれ、昭和42年に教授となられました。以後、平成3年に定年退官されるまで電力系統の潮流問題や安定度問題、さらには系統絶縁問題に精力的に取り組まれ、研究を指導されました。そして、これらの分野において多くの人材を輩出されました。特筆すべきこととして、先生は、東京大学の河村教授、名古屋大学の堀井教授、京都大学の上之園教授、九州大学の赤崎教授らと協同で文部省の総合研究を組織され、超々高圧送電であるUHV送電の絶縁設計と環境問題との調和に関する基礎的な研究をおこなうともに、ポストUHV送電に関する新課題の調査・研究も推し進められました。これらの研究により、昭和61年に電気学会の電力賞を受賞されました。
林先生はまた、電気学会関西支部評議員、関西支部長、放電および電力技術委員会委員をはじめ、国際AI電力応用会議論文委員長など数多くの要職に就かれ、これらの長年の教育・研究上のご功績により、このたび正四位・瑞宝中綬章を受けられました。
さて、9月12日の林 宗明先生を偲ぶ会におきましては、前述の洛友会関係の皆様方、とりわけ昭和27年ご卒業の同期会である「帰洛会」の方々、ご遺族、門下生を含めて約150名の方々のご参加を頂き、和やかに、かつ滞りなく開催することができました。
偲ぶ会では、林先生のご遺影を飾った祭壇において、参加者一人ひとりが献花しました。献花に続く立食形式の偲ぶ会では、門下生を代表した伊佐弘先生の開会の辞に続き、帰洛会を代表して東松孝臣様からご挨拶をいただきました。会場には先生のご業績を偲ぶ勲章や賞状ならびに論文・書籍・資料を展示しました。各テーブルでは先生のご業績とともに、先生のお人柄などについての話題が尽きず、和やかに会が進められました。最後に、ご遺族のご挨拶をもって散会といたしました。
以上、林 宗明先生を偲ぶ会につきましてご参加ならびにご協力いただきました皆様に対しまして、ご遺族ともども心からお礼を申し上げますとともに、ご報告申し上げます。
林 宗明先生を偲ぶ会幹事
山本 修(電気工学専攻 講師)
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