会員寄稿(2)
洛友会会報 226号


同釜会の活動紹介


1.前田・大林スクールを引き継いだ同釜会の発足
 昭和42年に、故大林辰蔵先生が京都大学から東京大学に移られたとき、大林先生が京都大学に在職されていた36-42年に前田/大林研究室に在籍していた教員・学生で何か会を作ろうという話が持ち上がり、「前田・大林スクール」が、平田康夫君(40、学部卒業年次、以下同様)と田島孝(40)が幹事で発足しました(途中から安田豊さん(48)が幹事として参加)。以後、年1回地球電磁気学会が東京で開催される時期に懇親会を行っていましたが、両先生が亡くなられて解散となりました。
 佐藤哲也さん(38)が、平成14年に、名古屋大学教授から地球シミュレータ所長として上京されたとき、間宮馨さん(42)の音頭で、旧前田・大林スクールのメンバーを中心に歓迎会が開催され(写真1)、その席上で、松本紘君(40)などの発案で、前田・大林スクールを再開し、関東・関西で対抗ゴルフをやろう、ということになりました。会長は釜江尚彦さん(36)、会長代行が佐藤さん、幹事長が山本英雄さん(38)、幹事が私と安田さん、会の名前は、前田・大林研で同じ釜の飯を食ったというところから「同釜会」として、発足しました。
 会員にはゴルフをしない人もいるので、見学会と何か理由を見つけての懇親会をやることになりました。


写真1:佐藤さん上京歓迎会での佐藤さん挨拶

2.同釜会の運営とこれまでの主な活動
 運営
 会の性格を明確化しようという意見が出て、名称を「地球・宙空物理現象処理新技術研究会(略称:新技術研究会、愛称:同釜会)」、会員の種類を、正会員(上記、旧前田・大林スクールのメンバ)、会友(京都大学卒業生で、正会員3名の推薦があり同釜会会長から了承された人)とすること、年会費を徴収せず、行事ごとに集める会費の残金を会の運営費とし、主として趣味の会の行事費用などを支援すること、など、会則を決めました。
 運営費として佐藤さん歓迎会の残金約4万円を原資として引き継ぎ、懇親会等で残金が出るようにして、原資の額を維持するようにしています。
 会員は、会の活動を進めていく段階で、36-42年の間に前田・大林研にいたということが分かって参加する人や、42年度以降の前田研関係者で正会員の推薦と本人の参加希望で入会する人、などが増えて、現在、関東圏:45名、関西圏ほか:17名になっています。
 連絡等は、電子メールのみで行っているため、同釜会の会員資格のある方で同釜会通信などのお知らせ配信を希望される方、メールアドレスが変更になった方は、速やかに(新しい)メールアドレスを幹事(tajima@cybersoken.com)までご連絡ください。
 主な活動
 会員の伝手で、これまで、地球シミュレータ、NHK技研(以上平成14年)、宇宙研(15年)、KDDI研、極地研(16年)、リニアモーターカー試乗(17年)、宇宙航空研究開発機構(JAXA、20年)、国会図書館(21年)の見学を行いました。
 山梨でのリニアモーターカー試乗では、一般の抽選ではほとんど当たらないとのことで、京都からも3名の参加者があり、一瞬ですが時速500kmの乗り心地を体験できました。
 JAXAでは、温暖化ガス観測衛星(GOSAT)、宇宙ステーション輸送機(HTV)、きぼう曝露部が勢揃いしていた時で、またとない時期の見学ができました。
 国立国会図書館では、長尾館長の招待のような形の見学にしてもらい(写真2)、時間帯、人数、見学場所で広報の方からいろいろ配慮をいただき、めったに見られない場所まで見ることができました。


写真2:長尾館長を囲んだ同釜会見学者

 同釜会見学会の特徴のひとつに、見学時や後の懇親会で質問・コメントがいろいろ出ることがあります。例えば、リニアモーターカー試乗会では、事前の申し込み時に「今回の試乗の目的:JR東海の最先端技術に触れて、公共交通機関の技術的な将来動向についての見識を深めるとともに、新技術への意見を述べる。」としましたが、主催者から質疑はなし、とされました。後の懇親会で今回の見学では「リニアの浮上の原理」が理解できないとの話がでて、その時の案内役の竹井大輔さん(37)から、後日「ガイドウェイには8の字の形をした浮上案内コイルも設置されている。車両の超電導磁石が高速で通過すると両側の浮上案内コイルに電気が流れ電磁石となり、車両を押し上げる力(反発力)と引き上げる力(吸引力)が発生し、浮上する。従って、この方式では停止中(あるいは100km/h位まで)は浮上できないことになる。」との説明がされました。
 会員の伝手での見学会はぼつぼつ頭打ちになってきており、新規の見学先を開拓中です。
 現在、趣味の会としては、発足以来のゴルフの会(世話人:山本さん、安井敏雄さん(41)、石黒 公君(40))のほか、平成20年から発足したハイキングの会(世話人:釜江さん)があります。
 ゴルフの会は平成14年から毎年1回、練習会、懇親会、ゴルフコンペをセットにして開催しています。当初、関東と関西とで隔年開催の予定でしたが、ゴルフをやる人は関東の方が圧倒的に多く、毎回関東開催になっています。
 これまでゴルフコンペは7回開催され、参加者は延べて19名(同釜会でゴルフをする方は約30名)、このうち4名が毎回、3名が6回・4回、3回、1回、2名が5回、1名が2回、の参加となっています。今年は10月に開催し、3、4名の初参加で5組のコンペができることを期待しています。
そのほか、ミニ同釜会と称して、1、2組で不定期にゴルフを楽しんでいます。
 最近、平田君、佐藤さんが関西在住になったため、同釜会関西でもゴルフが開催されるのでは、と期待しています。
 ハイキングの会は、昨年、蓼科方面の山から始まり、当面は富士山が見える山を中心に実施しています。
 そのほかの活動としては、会員のおめでたいことなどあれば、それを口実に懇親会を開催しています。
 これまで、同釜会設立1周年記念&桜井邦朋先生を囲む会、3周年記念&太田忠一さん(36)お帰りなさい会、平田康夫君壮行会、松本紘君紫綬褒章受章・京大総長内定お祝いの会、などを行い、会員相互の懇親も深めています。
 以上述べた会合のほか、会員に関連するニュースがあれば、不定期に「同釜会通信」を発信して、会員相互の情報共有を図っています。

3.洛友会における同釜会の位置づけ
 同釜会の会員は、ほとんどが洛友会会員の資格のある人です。
 洛友会東京支部では、同釜会会員から、松本慎二君(40)が3年前支部長になったあと、向井利典さん(41)、間宮さんと3代連続して支部長を出し、来年はまた、同釜会から井上英也さん(44)が支部長の予定です。
 同釜会会員の木村磐根先生が、洛友会本部で幹事長をされており、今年の国会図書館見学会では、洛友会会長の長尾館長にはお世話になりました。
 このような状況を考え、釜江同釜会会長の方から、同釜会会員で洛友会の資格のある方で洛友会会費未納の方は会費を納める会員になろう、という呼びかけを行いました。
 洛友会では、会費の納入率向上という課題があげられています。
 一般に、同期の方とは卒業後も何らかのつきあいがありますが、縦のつきあいはそれほどありません。
 同釜会は、36-42年の同じ研究室時代の集まりが中心ですが、徐々に縦方向にも広がっており、この会で知り合うことにより、洛友会の行事や他の会合等でも、その分知り合いが多くなり、交流の範囲が広がります。洛友会の中で、このような集まりが顕在化して活発化すれば、相乗効果として洛友会の活性化にもつながると思われます。
 関東地区では、9月に「京都大学東京オフィス」が開設されました。同釜会もこの施設を積極的に活用していこうと考えています。
 皆さんも洛友会の行事に積極的に参加して、この中で何らかの引っかかりを見つけて、同じ京都大学電気系を卒業したものとして、洛友会の中で交流の場を見つけて、これからの生活をより豊にしていただければ、幸いです。
 同釜会の活動が、洛友会ひいては京都大学関係者のコミュニケーション活性化の一助となれば、と思い、一端を紹介しました。

   同釜会幹事 田島 孝(昭40卒)記


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